いさりの碑
猿払村の漁業はかつて、資源枯渇による苦難の時代を経験しました。しかし、漁場造成や孵化・放流・育成事業など、漁業者と村が一体となって資源管理型漁業への転換に力を注ぎ、豊かなオホーツクの漁業を再び取り戻しました。
猿払の海を拓いた多くの先人の苦労と偉業を偲び、建てられたのが「いさりの碑」です。
(以下、碑文抜粋)
帆立貝漁場造成事業10周年に当り猿払の漁業のうつりかわりを振返って見る。我々の先人がオホーツクの海の魚貝類に生活の糧を求めたのは明治の始め頃のことだ。
それから一世紀になんなんとしている。
春、4月5月、鰊の群来で海は乳白色になり獲っても獲ってもなくならないものと思われた。
鮭鱒は海の荒くれ男と力比べをするように網もさけよとばかり来網した。
海扇と呼ばれた帆立貝は海の底に幾層にも重なり合っているのではないかと錯覚を起こさせる位生棲していた。
しかし之等の生物の運命も貪欲な人間の前には所詮は滅亡の運命が待ち受けていた。
今日ではあらゆる資源は有限であることが認識されている。
しかし生物資源は自然と人間の適正な育成管理によって永続させることが出来る筈だ。
私達も自然の摂理にかなった生物資源の育成管理を科学的調査と人智をあつめてやってみた。
春夏秋冬、自然の摂理は一世紀の昔も今と変わりなく繰返され生物の生命力は見事に部族と子族の繁栄に其の力強さを見せてくれた。
今、オホーツクの海は先人の開拓した時のように帆立貝が美事に結実してたわわな実を見せている。
鮭鱒もまた間もなくふ化事業の結実を見せようとしている。
猿払の海を拓いた多くの先人の苦労と偉業を偲び其の意志を我々も子孫もうけつぎそして実践することを肝に銘じ、今此の碑を建てる。
人間は神々と力を競うべきでない。
人間は自然の摂理に従うべきだ。
昭和56年11月22日
猿払村漁業協同組合
さるふつ村観光協会へ sarufutsu.jp/sightseeing/
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