平成24年度村政執行方針

 はじめに

平成24年第1回定例村議会の開催にあたり、村政執行に臨む私の所信について申し述べさせていただきます。
 早いもので、今回で3回目の執行方針となりました。2年半ほど前、「わかりやすい村政、永住できる地域、基幹産業の充実、観光・商業の活性化、人づくり教育」を掲げ、「安心して孫の代まで暮らせる地域づくり」の目標のもと、直面する課題に全力で取り組んでまいりました。任期も残り1年半余りとなり、今一度原点に戻り、何のために何をやるために村長になったのか再確認し、産業を振興させ、福祉・教育を充実させ、この最北の地に住んでいる人が本当に幸せだと思える理想郷を創りたいと思います。
行政の舵取りを任され確信いたしましたことは、猿払村は理想郷を創れる可能性のある地域だということです。この地域はその条件が整っております。まず第1に日本一のホタテ資源を中心とした水産業、酪農業等の豊富な産業資源、そしてまだまだ未開発な観光資源、これから期待される再生可能なエネルギー資源があります。今ある人材資源をさらに育成・活性化し、また新たな人材を受け入れ、郷土愛に満ち共に支え合う人づくりを行い、地域資源をさらに有効利用した産業振興を行い雇用を拡大し、永住できる生活基盤を確立していく施策を住民、議員の皆さま、そして職員とで共有してまいりたいと思います。
今、国においては厳しい財政が続いております。本年度予算案も4年連続国債発行額が税収を上回る状況です。その上、昨年度の東北地方における大震災からの復興復旧には日本全国民で負担していかねばなりません。
 このような中で、村も厳しい財政状況が続いておりますが、当面の目標でありました実質公債費比率18%を、今年度下回るのが確実な状況となりました。しかし、めりはりのあるさらなる行財政改革を行い、緊縮財政を継続していかなければならないと考えております。安心して孫の代まで暮らせる地域を創るために、第6次総合計画を基本に、現状に適応した施策を今後も実行していく所存であります。
 今年度におきましては、漁港整備、農地改良等の基幹産業の整備、環境対策の徹底を図るとともに、バイオマス資源活用の可能性を探り、観光産業に関しては、本年度を観光再開発の元年と位置付け、これからの観光振興の方向性を確立し、各産業が連携した産業振興を図ってまいります。
また、生活基盤整備といたしましては、引き続き上下水道の整備を進めるほか、今年度より民間アパート建設助成金制度による住宅環境整備を行い、福祉関係では福祉輸送事業の拡充や公営住宅の整備により、高齢者の交通手段や生活環境の充実を図ってまいります。また、地域福祉活動の中心であるボランティアの育成を図り、関係部署による福祉連携会議を本年度復活させ、さらなる在宅サービスの向上を目指します。
また、国際・国内交流については、姉妹村提携を結んでいるオジョールスキイ村からの訪問団を受け入れるとともに、本年度からは本村と歴史的な関わりのある国内の町との交流を開始し、地域間交流による人材育成を目指します。
さらに、来年度の開村90周年に向け、今までの村の歴史をしっかりと学び、未来の猿払村のために郷土愛、連帯感を深める契機となるように、本年度より準備に入ります。
 
 以下、施策の大綱を申し上げます。
 
1.自然環境・観光 厳しくも豊かな自然環境との共生
 【海岸保全・河口閉塞対策】
河川、海岸等の施設は、本来の機能が常に発揮されるよう適切な維持管理が必要であります。パトロールにより日常的な巡視や点検を行い、異常や危険個所を発見または予見した場合には、適切な措置を実施いたします。
海岸保全対策では、背後の状況等を考慮して浜鬼志別地区の浸食対策を重点においた事業の推進と、既に実施された護岸工の補修整備を関係機関に要望してまいります。
河口閉塞対策では、昨年度に引き続き鬼志別川河口の導流堤補修を実施することになっておりますが、恒久的な河口閉塞解消に向けての調査を関係機関に要望してまいります。
  【観光振興】
  観光は、本村の第3の基幹産業と位置付けその振興を図ってまいりましたが、本年度は、更に観光再開発元年と位置付け様々な取組みを積極的に進めてまいります。
  一つは、道の駅「さるふつ公園」全体のあり方を見直す、公園内施設整備計画を樹立します。これまで何度か検討されてきました公園の整備について、実効性のある効果的な計画として、村民の利用はもとより観光客もまた訪れて来たくなるような公園にするため、憩いの場の充実や公園内施設の活用を検討してまいります。
もう一つは、村内に点在する観光資源の整備に努めます。村内には歴史や自然など多くの観光資源があります、それらを効果的に活用しPRをするため、観光協会との連携を密にし、企画、イベントの開催等に積極的な支援をしてまいります。
  また、地場産品の普及宣伝については、宗谷管内の市町との広域連携による取組みが重要かつ効果的であり、管内的イベントについても観光協会を中心に協力体制を推進してまいります。
 【環境衛生・循環型環境保全】
新たな一般廃棄物(ごみ)処理基本計画の策定を機に、従来からの大きな課題である“ごみの量が多い”・“分別の不徹底”・“多額の処理経費”があらためて浮き彫りとされ、資源物の有効活用のための分別の徹底は言うまでもないことですが、まず『ごみ量を減らす』対策が求められます。
豊かな生活とごみ量には相関関係があると考えられますが、生活を変えることは困難でも、工夫次第でごみの量はコントロールできると考えます。昨年設置した猿払村廃棄物減量等推進審議会に意見をいただきながら、村民の皆さまの協力を得て減量化が図れるよう、啓発してまいります。
また、一般廃棄物最終処分場は、現有利用計画の変更申請・許可を経て、施設の有効活用のため埋立可能容量増大を図ってまいります。
依然として発生する不法投棄への対策は、“違法”であることを訴えることが唯一の手段と考えますので、看板設置等をはじめ啓発を継続してまいります。
昨年度、自治会連合会から声掛けをいただいた“適正なごみ処理の基盤であるごみステーション”の設置に関しては、「ルールを守ったごみ排出」を村民の皆さまに協力いただき、長く使用できるよう協働での管理を図ってまいります。
  【地球温暖化対策】
「猿払村地球温暖化対策地域推進計画」に基づく村の地球温暖化対策は、「猿払村地球温暖化対策地域協議会」を中心に、温室効果ガス排出量削減を目指し、引き続き小・中学生を対象とした標語募集や事業所訪問、家庭や事業所対象としたエコ・省エネ診断を実施し意識啓発を図るほか、昨年、先進地視察研修により得られた地球温暖化対策のみならず、牛ふん尿の臭気対策にも繋がるバイオガス発電施設について、本村に設置が可能か見極めも含め、農業関係者や関係機関、関係課との協議を進めてまいります。
さらに、村民が温室効果ガス排出削減につながる温暖化対策として省エネルギー機器等を購入した場合の費用に対する補助制度の新設について、検討をしてまいります。
また、村の事務事業に係る温暖化対策については、『猿払村地球温暖化対策実行計画』を柱に、「猿払村地球温暖化対策庁内推進会議」を中心に、行政も一事業主として取組みを継続します。
 
  
2.生活環境 利便性が高く、住みよい快適な村づくり
 【住宅対策】
本村における賃貸住宅ストックは、そのほとんどを公営住宅に依存している状況にありますが、近年は空家への応募数も多く、全村的に賃貸住宅が不足傾向にあります。しかし、公営住宅は低額所得者が対象であり、特に中堅所得層に対する住宅困窮ニーズに、的確に対処しきれないことが課題となっております。この問題解決のためには、収入制限のない民間アパートの建設促進が不可欠であることから、新たに民間アパート建設者に対する建設費助成制度を創設し、民間活力による住環境の整備を進め、定住促進と地域経済の振興を図ってまいります。
その一方で、既存公営住宅の老朽ストックの増大も課題となっていることから、平成23年度策定の「長寿命化計画」により、公営住宅の適正な管理方針と今後の整備計画を樹立したところであります。この計画に基づき、平成24年度は、鬼志別地区において高齢者向け公営住宅1棟4戸を建設し、ユニバーサルデザインの考えに基づいた高齢者に優しい住宅の建設を継続して進めてまいります。また、平成21年度より実施しております「持家住宅建設促進助成制度」は4年目を迎えますが、平成25年度までの時限制度となっていることから、これまでの住宅建設の促進状況や地域経済に対する効果等を検証し、今後の住宅施策のあり方について検討してまいります。
  【道路整備対策】
道路施設は、本来の機能が常に発揮されるよう適切な維持管理が必要であり、パトロールにより日常的な巡視や点検を行い、異常や危険個所を発見または予見した場合には、適切な措置を実施いたします。
除排雪体制では、除雪車1台を更新して、村民生活に影響が生じないよう除排雪を実施し、安全で円滑な交通の確保に努めてまいります。
過去に整備されました橋梁は、年々老朽化しており、今後は、維持管理や更新に大幅な費用が見込まれます。橋梁長寿命化計画に基づく修繕計画を実施して、施設を大切に、かつ有効的に使うように、延命化や更新費用の平準化に取り組みます。
国道については、吹雪や強風による地吹雪が多く発生する箇所は、防雪対策の強化や市街地の歩道除雪の確保等は引続き要望をしてまいります。
なお、平成21年度に最初の計画説明をしておりました浜鬼志別から東浦間の「浜猿防災事業」の内、知来別工区(2.7㎞)に関する路線の詳細が決定しました。今後、用地測量やその説明会など関係する方々との協議を実施してまいります。
道々については、豊富猿払線の鬼志別市街地整備が完了しましたが、損傷の著しい路面舗装補修と通学路の歩道除雪等を引続き要望をしてまいります。
 【公共交通の利便性向上】
  昨年10月から、宗谷バス路線が沼川・曲渕経由の山回りから宗谷岬経由の海回りに変更となったことに合わせて、村営バス知来別線を廃止し、交通空白区域となる小石地区と鬼志別苗畑地区住民の足を確保するため、完全予約制によるデマンド輸送事業(デマンドバス)を運行いたしました。従来のバス停からバス停の運行方式から、予約された方の自宅から鬼志別の目的地までの利用ができることから、多くの皆様にご利用をいただいているところですが、宗谷バスとの乗り継ぎの不便さがあり、増便や運行時刻の改正などにより、さらに利用し易い環境を整備してまいります。
  また、同じく10月から、70歳以上の高齢者及び障害者(1・2級)の方が、村内どこでも片道500円で利用できる市町村福祉輸送事業(福祉タクシー)を開始し、予想を上回るご利用をいただいておりますが、引き続きさらに利用し易い料金体系や運行日等の検討や見直しを進めてまいります。
  【情報通信基盤の活用】
  昨年4月から運用を開始した「光ファイバー網」によって、地上デジタル放送視聴や防災行政無線に代わる音声告知端末、村内無料電話、超高速インターネットサービスが可能となり、都市部との情報格差は解消されたと思っております。今後は、安定したサービスの提供に努め、さらに様々な行政サービスへの利活用を検討し、利用促進を図ってまいります。
  【簡易水道・下水道対策】
簡易水道事業は、水道施設の良好な維持管理を行うことで、安定した水道水供給に努めてまいります。しかし、本村の水道水は河川表流水を原水としているため、大雨や融雪時の対策が大きな課題となっております。特に浅茅野簡易水道は、濁度・色度に対応する浄水施設改修整備が急がれ、本年度から道営農地整備事業(営農用水)で測量調査と詳細設計が実施され、来年度から工事着手することになっておりますので早期完成に向け努めてまいります。
  下水道事業は、平成21年度から実施しておりました鬼志別農業集落排水施設の機能強化事業が、施設改修整備も本年度で完了いたします。今後は、この施設を除く各処理施設の老朽化や機能低下の診断等を検討し、安定した水処理の保持に努め、快適な生活環境の維持に努めてまいります。
  また、集合排水処理地域以外の地域については、合併浄化槽を推進し、住宅建設においては、個別排水処理施設整備事業を継続して実施してまいります。
 
 
3.防災、医療・救急、地域安全活動 安心して生活できる環境の整備
 【地域防災の充実】
  昨年3月に東北地方で発生した大地震と大津波による災害は、日本国中に大きな衝撃を与えました。この災害は、現在の防災計画や避難計画の想定をはるかに超える規模のものであり、それを受けて国や都道府県レベルでは各種計画の見直しが行われている現状にあります。それぞれの市町村においても、都道府県計画に連動して計画の見直しが指示されているところであり、本村の計画等についても早急に手立てを講じなければならないところであります。
  本年の事業としては、津波ハザードマップを作成し、安全な避難ルートや避難場所を特定するとともに、災害時の備蓄品についても年次計画を基に整備を進めるほか、昨年整備した全国瞬時警報システムと連動した「音声告知端末」の活用や、自治会及び関係機関の協力を仰ぎながら、避難訓練等を継続して実施してまいります。
  【消防行政対策】
村民が安全で住みやすく安心して暮らせる地域づくりを推進するため、消防署と地域に密着している消防団並びに関係機関と連携し、火災や救急・救助体制の強化を図り、自然災害の対応も含め、住民の生命と財産を守るための取組みを進めてまいります。
  そのため、消防水利の増設や施設整備計画を策定し、消防装備の充実を図り、複雑多様化する災害に対応できる体制づくりに努めます。
  近年、村内での住宅火災の発生は、減少傾向にありますが、引き続き予防査察並びに広報活動に重点を置き、関係機関と連携した火災予防対策と合わせ、昨年6月から設置が義務付けとなりました住宅用火災警報器の全世帯への普及促進を目指します。
さらに、高齢化社会の対応については重要な課題であり、災害弱者と呼ばれる方々の毎日が、安心して過ごせるよう緊急通報システムの効果的な運用を図り、消防の特性を活かした体制を充実させ、医療・福祉関係者と連携のもと、きめ細やかな配慮に努め、日々の生活安全対策についての支援を行ってまいります。
  また、防災の要であります消防団員の高齢化と一部地域の団員数減少など、人員確保が困難な問題もあり、猿払消防団の効果的・効率的な体制とするための協議・検討を進めてまいります。
  なお、電波法の改正により、消防無線のデジタル化への対応として、平成28年5月末までの設置について、本年度の基本設計から実施設計の整備に向け道北ブロックの各消防本部と機器整備コストの低減化を図り、稚内地区消防事務組合としての対応を検討してまいります。
 【医療・救急体制の充実】
  国保病院は、村唯一の一次医療機関として保健・福祉行政と連携を密にし、住民が安全、安心に暮らせるよう患者本位のサービス提供に努めてまいります。
安定した病院運営を維持するため「病院改革プラン」に基づき、経費節減、収入確保対策などに取り組んでまいります。また、看護師等の医療スタッフの確保・充実にも努めます。
さらに、昨年度実施した「第2回病院アンケート調査」では、村民から設備面や職員の接遇など多くのご意見をお寄せいただきました。早速、改善したところもございますが、今後もできることから早急に改善してまいります。また、病院もサービス業であるとの認識のもと、アンケートでもご指摘を受けた接遇面について、接遇向上のための研修を実施してまいります。
消防署猿払支署における救急隊員の育成は急務であり、薬剤の投与も可能な救急救命士の養成をはじめ、専門的な技術の習得と研修教育を進め資質の向上を図り、村民に対する応急手当ての普及と「AED」を使用するための講習会を積極的に展開し、救命率の向上に努めるとともに、救急出動で重傷患者が発生した場合においても医療機関との連携を密にし、適切な要請を行いドクターヘリの有効活用に努めてまいります。
  【交通安全・防犯対策の推進】
  昨年10月5日に、村内における交通事故死ゼロ1,500日を達成することができました。現在は1,700日(4月22日)の目標に向けて、関係機関と協力し努力しているところであります。引き続き交通安全に対する意識の向上を図るため、交通安全協会・交通安全指導員会を中心に、自治会や関係団体と連動した運動の展開を図ってまいります。
  防犯活動では、平成23年中に10件の窃盗と1件の窃盗未遂事件が発生していることから、今年度も引き続き、防犯協会及び自治会連合会などの協力を得ながら、その対策強化に努めてまいります。併せて、犯罪被害者等に関して、地域社会における認識と関係機関とにより一層の連携を進め、犯罪被害者支援体制の強化を図ってまいります。
 
4.教育、文化、スポーツ 心豊かで感性あふれる人を育む
 【教育行政対策】
子ども達の健全育成には、学校だけではなく家庭や地域など、社会全体で子ども達の教育の取組みが必要と言われており、行政も共通の認識を持たなければなりません。それぞれが役割と責任を持ち、互いに理解と協力をしながら子どもの教育環境に携わることが肝要であります。
学校運営では、新学習指導要領の施行により小学校では外国語の授業、中学校では武道が取り入れられると共に、授業時数の増ともなりますが、児童生徒一人ひとりの教育的ニーズを把握し、適切な指導を行なうことや、保護者、地域の意見を教育活動に反映させながら創意工夫を凝らし、身近な学校として開かれ、信頼される学校となることが必要です。
また、家庭や地域の教育力の低下が叫ばれており、それぞれが持つ本来の教育力を建て直すことが必要であり、このことが地域力にも繋がり、子ども達の未来に繋がる「生きる力」を育むものと考えます。
さらには、生涯にわたり学び、学習活動を続け、生活向上をめざす「生涯学習」の理念や実践は重要であります。
また、スポーツ振興法が50年ぶりに全面改訂となり、新たなスポーツ基本法により、スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことが人々の権利であり、国民が生涯にわたりあらゆる機会とあらゆる場所において、自主的かつ自律的にその適性及び健康状態に応じてスポーツを行うことなどが定められました。
村政の立場からも、支援、また「場」の提供、情報の提供に努め、教育委員会と連携を密にし、村政全体で教育推進の向上に努めてまいります。
 
5.地域産業 基幹産業の強化と新たな産業振興への挑戦
 【酪農振興】
  酪農業は、本村の基幹産業の一つとして多くの人々の生活を支えていることから、安定した経営の確立のため、草地や農道といった農業基盤整備の適正な維持管理と、中山間地域等直接支払交付金の活用による農業者の自主的活動を推進するとともに、営農と環境の調和を目指し、臭気対策に取り組んでまいります。また、農業資源の付加価値の向上も視野に入れた取組みとして、バイオガスの有効な活用の調査検討を進めてまいります。
  『牛乳と肉の館』における牛乳、乳製品の製造と体験実習については、消費の拡大と安心・安全を象徴する事業であることから『さるふつブランド』による酪農業の振興を図ってまいります。
  担い手後継者の育成と経営を支える良き配偶者の確保、更に新規就農者対策は、地域づくりに欠かせないものであることから、関係機関と連携して対策を講じてまいりますとともに、個別経営を側面から支える村営牧野の機能の充実を図ってまいります。
  【水産振興】
漁業は、本村の基幹産業として安定した生産体制を確立し、村の自主財源の確保に大きな役割を担うまでに発展しております。
  そうした中で、村内3漁港の整備は水産業の重要課題として、これまで以上に国・道の支援を受けながら計画的な推進を図ってまいります。特に、老朽化による漁船上架施設の新設は緊急の課題として、早期着工に向け具体的な事業の展開を要望推進してまいります。
  また、ほたて漁は日本一の漁獲高を誇るまでになっておりますが、『さるふつブランド』としての定着と優れた水産資源の付加価値を目指し、観光産業とも連携を図り消費拡大に努めてまいります。
  さらに、水産資源の安定的な供給体制の確立も重要な課題であり、冷凍冷蔵庫等保管施設の整備について関係機関とも協議を進めてまいります。
  昨年度から制度の開設を図ってまいりました漁業近代化資金の借入れに伴う利子補給制度も、漁業を取り巻く厳しい情勢の中、生産コストの低減を図りながら基盤整備を安定的に推進する上で重要な対策であり、今後も継続的に支援をしてまいります。
  【林業振興】
今年度は、5年毎の国が定める森林計画の見直しが行われ、市町村森林整備計画において森林施業を行う場合の規範等の見直しを実施する初年度であります。
  本村の8割を占める山林の多くは、国有林と大規模森林所有者の森林で構成されておりますが、そのような中でも小規模森林所有者は、森林組合と連携し適正な森林の維持管理に努めております。森林の持つ多面的機能は、林業に止まらず漁業や酪農、観光業にも大きな役割を果たしております。その上で、小規模森林所有者が樹立する植栽や適正な除間伐などの経営計画に対し支援をしてまいります。さらに、自治会等村民が行う植樹活動についても緑の募金運動を継続して行い推進してまいります。
  近年、エゾシカの増頭による森林や草地、更には家庭菜園への被害が著しく、その駆除対策は全道的な規模で取り組まれておりますが、自然増加に追いついていないのが現状であり、村単独の駆除活動のみならず、広域連携の中での対策が重要な課題であると認識し、ハンターの育成も含め有害鳥獣の駆除対策を強化してまいります。
  【商工業の振興】
近年、小規模な小売店経営は、消費者ニーズの変遷から大型量販店集中型消費により、ますます厳しいものとなってきているのが現状であります。そのような消費者事情を踏まえ、本村の商工業の振興策を考える上で重要なことは、観光や水産業など、他の産業と連携した消費の拡大とPR活動が大切であると考えます。
  過去2年間、商工会が実施してまいりました、プレミア付き『暮らし応援商品券』の発行事業は、昨年は一昨年の1.5倍の商品券の購入者があり、商工会の創意工夫により多くの村民の利用が可能となりました。本年度もさらなる村内消費の拡大のため、継続してその取組みに支援をしてまいります。
  また、昨年商工会が独自に新たなイベントを開催し、村民の交流、憩いの場を提供できたことは、村内消費に繋がる効果的な取組みと評価するものであり、今後の商工会活動に支援と協力をしてまいります。
  土木建設業界は、依然として厳しい状況は変わらず、異業種間の連携や新規参入事業への経営方針の転換や対策が求められております。
  本村としても、これまで村民の雇用の場を確保してきた建設業の振興にあたって、異業種・新規事業への参入を奨励するとともに、雇用の場の確保について関係機関に働きかけをしてまいります。
  また、本村漁業の発展と共に経営の規模拡大が図られ、雇用の場を確保してきている水産加工業も食の安心・安全の基準から施設の規制が厳しいものとなってきており、施設内容の充実が求められております。
  今後も水産加工品の安定的供給が図られるよう、猿払村漁業協同組合や猿払村水産加工振興協会等関係機関と対策について協議し、適切な支援をしてまいります。
 
6.保健、福祉 健やかに暮らせる村づくり
 【健康づくり・保健予防】
健康対策関係については、「健康さるふつ21」を着実に実行することを基本に、生活習慣病を予防する「一次予防」に重点を置いた健康づくりや食生活に関する取組みを実施してまいります。
  また、健康増進事業、子育て支援事業及びボランティア活動などに参加していただいた方にポイントを発行して、ポイント数毎に健康グッズや介護予防及び生活支援事業利用者負担金相当額の免除などを取り入れながら、病気の早期発見、健康の保持増進や健康意識や知識の向上、子育て支援、閉じこもりを予防し、医療費や介護給付費の適正化を図るとともに、ボランティア活動のすそ野を広げてまいります。
(重点項目)
1.新規「さるふつスマイル事業」の実施
2.「さるふつ健康21」の中間評価のための住民調査の実施
3.がん検診率の向上を図り、早期発見のため、子宮がん・乳がん及び大腸がん検診の節目年齢の方へ無料クーポン券を発行
4.広報等で特定健診情報を提供をし受診率向上に努め、特定保健指導では、糖尿病のリスクの高い人を重点に保健師・管理栄養士の家庭訪問の優先的実施
5.自殺予防対策として「自殺予防ゲートキーパー」研修会の実施
6.高齢者の肺炎予防のため「肺炎球菌ワクチン」の自己負担額を6,800円から3,000円に減額
 【母子保健】
生涯を通じた健康の出発点であると同時に、次世代を健やかに産み育てるための基礎であります。そこで村では、妊娠・出産・育児を通して、すべての親と子が心身ともにすこやかに成長を重ねられるような環境づくりを進めてまいります。
また、子どもの死亡の減少に貢献している予防接種については、国に合わせた定期予防接種であるポリオ生ワクチンの不活化ワクチンへの切り替え、さらに任意予防接種として実施してきました「子宮頸がん予防接種」、「乳幼児肺炎球菌ワクチン」及び「ヒブワクチン」の全額助成を引続き実施しながら、定期・任意予防接種が円滑に接種できるよう個別指導を徹底してまいります。
(重点項目)
1.妊娠・出産に関する安全性と快適さの確保(妊婦一般健康診査の公費負担)
2.乳幼児期からの生活習慣病の予防の推進(適切な食生活及び歯みがき習慣の徹底)
3.乳児のロタウイルス胃腸炎の重症化予防として「ロタワクチン」の全額助成の実施
 
 【地域福祉】
あらゆる世代の村民が住み慣れた地域で、生き生きと健やかに暮らし続けるために、住民相互が支え助け合いながら、安心して永住できるまちづくりの実現に努めてまいります。
  また、地域福祉の一層の充実を図る上で、その役割が大きい社会福祉協議会とも連携を図り、その指針として平成25年度を初年度する「第1期猿払村地域福祉計画」を策定するための準備をしてまいります。
 
 【高齢者福祉】
高齢者が安心して元気に暮らせるよう、地域包括支援センターを中心に介護予防に関する相談支援や生活支援サービスを引き続き実施するほか、高齢者の権利擁護のため必要な支援を行ってまいります。
  また、通院助成・除雪サービスなどの提供や一人暮らしの高齢者や認知症高齢者の見守りなど、地域ケアの一層のサービス向上を図ってまいります。
(重点項目)
1.成年後見制度の住民説明会の開催
2.65歳以上の基本チェックリストの実施
3.二次予防対象者(生活機能が低下し介護が必要になるおそれのある高齢者)の把握
4.機能訓練教室、足腰元気教室及び介護予防教室等の事業継続
 
 【障がい者自立支援】
平成21年3月に策定した「猿払村障がい福祉プラン(第2期)」の成果と課題を踏まえつつ、今後の取組みを進めていくうえでの方向性を定めるために、「猿払村障がい福祉プラン(第3期)平成24年度から平成26年度」を策定しました。策定にあたりましては、家族や当事者のニーズや意見を広く把握するためのアンケート調査やヒヤリングを実施しました。
  今年度からは本計画に基づき、また「猿払村地域福祉計画」とも連動させながら、支援事業の推進を図ってまいります。
(重点項目)
1.情報提供と相談支援の充実
2.精神障がい者の集い「たんぽぽ」の継続実施
3.障がいについての理解と支え合いのための勉強会の実施
4.就労や社会的活動への参加の場づくり
5.障がい児の療育支援の充実
6.障がい者「家族会」の設立(継続課題)
 
 【保育行政対策】
  子育てが孤立化し、家庭においての子育ての負担が大きくなってきております。また、ひとり親家庭も増える中、経済的、精神的な負担も増加してきています。親の就労に関わらず、すべての子育て家庭への子育て支援に社会全体で取り組むことがさらに必要となってきています。
  村では、今年度、特に低所得・生活弱者世帯への保育料の軽減を図り、経済的な負担に配慮していきます。また、常設保育所の給食統合により効率化を図り、サービスの向上を目指します。乳児保育、一時的保育、延長保育などのニーズに応え、保育の中では、「生きる力」を育てるための生活リズムの立てなおし、体力向上、食育にも重点をおき、子ども達の健全な発達を保障する事業を実施してまいります。さらに、療育の子ども達が増える中、各機関と連携を図り、適切な支援と就学時のスムーズな移行に努めます。
また、子育て支援センターを中心とし、各機関と連携を図り、予防的支援に視点をおき、親子が気軽に交流できる広場、講演、講座の開催、虐待の早期発見、ブックスタート、家庭訪問などを展開し、各地域の子育てボランティアと共に子育て支援の拠点づくりに努めてまいります。
  児童クラブ(学童保育)では、学校終了後の時間を安全に過ごせるように保育所施設を有効に利用し、長期休み期間中はさまざまな取組みを通して、学童にとって工夫ある休みとなるように配慮してまいります。
  
 ひとり親家庭・生活自立への支援
  支援を必要としている世帯の早期発見に努め、保健福祉課が中核となり、子育て支援センター、民生・児童委員、自治会及び学校と連携し、相談・支援を行なう体制を継続しながら、ひとり親家庭等の早期自立と安定のため、引き続き各種制度の紹介と利用の促進に努めてまいります。
また、医療給付費については、引き続き助成拡大を通して負担の軽減を図ってまいります。
 
 【国民健康保険事業】
  医療費の増加により財政運営の厳しい状況が続いておりますが、引き続き保険財政の安定化及び医療制度改革への対応、事務処理の効率化等に努めてまいります。
(重点項目)
1.医療費削減の一環として、ジェネリック医薬品に切り替えた場合の自己負担額の差額通知書の送付と普及促進
2.レセプト点検の強化による適正な診療報酬支払いの推進
3.重複・頻回多受診者への保健師訪問による指導
4.年6回発送の医療費通知を利用した医療制度及び健康に対する意識の啓発の推進
5.医療費の抑制のため「特定健診・特定保健指導」未受診者調査の分析に基づく保健師・管理栄養士の訪問指導の実施
6.税務係と連携し、国民健康保険税の確保のため、口座振替の奨励、滞納未然防止の広報活動及び長期滞納者への個別訪問の強化の実施
 
 【介護保険事業】
平成21年3月に策定した「第4期猿払村介護保険事業計画(平成21年度から平成23年度)」の成果と課題を踏まえつつ、今後の取組みを進めていくうえでの方向を定めるために、「第5期猿払村介護保険事業計画(平成24年度から平成26年度)」を策定いたしました。策定にあたりましては、家族や65歳以上の方のニーズや意見を広く把握するためのアンケート調査やヒヤリングを実施しました。内容については、介護保険サービスの見込み量及びその確保方策、介護基盤整備の目標、介護保険料の算出などとなっております。
厚生労働省の今後の方針としては、地域密着型事業や在宅介護へ軸足を置いた方向性であることから、今後村としても、施設等のサービスを受ける前の予防策として、予防重視型のサービスや居宅介護サービスの充実に向けた事業展開をしてまいります。
(重点項目)
1.健康づくり及び健康診査の充実
2.介護予防活動の支援
3.老人医療費適正化の推進
4.要介護状態になる前の介護予防サービスの充実
5.自立支援事業の推進強化
6.個別訪問による介護保険料の収納率向上の強化
7.地域密着型サービス拠点の整備についての検討(小規模多機能型介護施設)
 
 【後期高齢者医療制度】
平成20年4月からスタートした後期高齢者医療制度については、これまで様々な問題の中、経過措置として制度を一部改正をしながら継続してきておりますが、今般、政府与党・社会保障改革本部が決定した「社会保障と税の一体改革大綱素案」の中で、70歳から74歳の一部負担を1割に据え置くこと。また、後期高齢者医療制度廃止に向けた法案が12年通常国会へ提出するよう検討するとのことでありますので、今後も制度改正等に注視しながら、北海道後期高齢者医療広域連合と連携しながら、円滑な業務を執行してまいります。
 
7.住民参画、交流・連携 参加と交流による一体感のある村の構築
 【村民と共に創るまちづくり】
村民の皆様の意見を反映した行政運営を進めるため、多くの意見・要望を聞く場として「まちづくり懇談会」は重要なものと位置づけ、多くの村民が参加できる懇談会とするための検討を行ってまいります。
2期目となる「地域担当職員制度」は担当職員が変わり2年目となり、お互いの顔の見える活動ができるようになったことから、より一層地域に根差した取組みを積極的に行ってまいります。
また、自治会連合会による「地域間交流事業」として平成23年度から実施されたスポーツ交流会は、初年度において一定の参加があり、今年度においても多くの住民参加と、地域間の一層の交流に向け支援を行ってまいります。
さらに、村広報誌や村ホームページなどによる広報広聴事務は、見る側の目線に立ち公正で透明性のある行政情報を発信してまいります。
  【国内外の交流の推進】
  国外交流では、平成23年度から、サハリン州オジョールスキイ村との学童交流事業を再開し、拓心中学校生徒を含む訪問団で交流を深めてまいりました。オジョールスキイ村との事前協議により、本年は、オジョールスキイ村訪問団を本村に受入れの年となることから、両村間の交流事業を今後とも継続・発展していけるよう消防署猿払支署旧タンク車の贈呈を含め、交流事業の推進に努めてまいります。また、村内加工場等で働く中国からの技能実習生と村民の交流事業については、村国際交流協会を中心に、研修生を受け入れている団体等と協力しながら文化交流事業の充実を図り、継続して推進してまいります。
国内交流については、平成25年度に石川県内灘町と姉妹都市の締結を予定しております。内灘町と猿払村は、内灘漁民の方々が120年ほど前に猿払村のホタテ漁場を開拓したときからの繋がりがあります。本年は、職員相互の交流や物産品の交流などを行いながら、締結に向けた準備を行ってまいります。
  【村史編さん発行】
開村90周年となる平成25年度へ向けた「猿払村史~第2巻」の発刊業務は、作業を進め3年目となり、今年度から本格的な原稿執筆に取りかかることから、村史編さん発行委員会委員をはじめ村民の皆さまのご協力をいただきながら、作業を進めてまいります。
 
8.行財政基盤 健全で効率的な行財政基盤の確立
 【行政組織の効率化】
  わかりやすい村政を目標に掲げ、これまでに機構改革を実施し課の名称も覚えやすいものへと改正してまいりました。今年度以降、退職者が多い傾向が続くことから、定員管理計画に基づいて計画的な職員採用に努めるほか、組織の効率化について調査・研究に努めてまいります。
  【公会計制度の公表】
平成22年度に導入した新地方公会計制度により、平成22年度決算における「4つの財務書類」を作成し、広報及び村ホームページにより公表いたしました。村の財政運営の総括では、経常収支、公共資産整備収支、投資・財務的収支とも堅調な財政運営となっておりますが、今後もより村民に分かりやすい公表を行ってまいります。
  【行財政運営】
第6次総合計画であるまちづくり基本計画などに掲げる事務事業の実施を基本に、健全な財政運営を継続していくことが必要であります。今後も歳入に見合った運営となるよう一層の行財政改革を継続してまいります。
また、行財政健全化の取組みとして、平成23年度から平成25年度の3年間で実施している「第2次行財政健全化計画」は全庁体制で確実な実行を図り、将来にわたり健全な行財政運営を推進してまいります。
  
おわりに
 以上、平成24年度の村政に臨む所信と基本的方針について述べさせていただきました。
 昨年度は大震災における防災政策、エネルギー政策、普天間基地における防衛政策、TPP協議における食糧政策、歴史的円高における金融政策、年金における社会政策等、国の基本的方向性を問われる問題が続出しました。さらに、日本の貿易収支がほぼ半世紀ぶりに赤字に転落いたしました。国も今、新しい国の姿を模索しております。
 このような中で、地方も新しい姿を模索しなければなりません。地方の役割がますます大きくなります。自分達の地域は自分達で守る意思をしっかりと確立し、ともに前へ進んでいかなければなりません。そして我が地域「猿払村」は、それができる可能性のある地域であります。
 今一度、我が地域の歴史を振り返らなければなりません。100年以上前にこの最北の海にホタテ資源を発掘し、一度枯渇した後復活させた海の歴史、そして北の大地に鍬を入れ開墾し、今日の酪農の隆盛を導いた歴史、さらに石炭業、木材業が今日までの猿払村の歴史を形成いたしました。我々は自分達の地域を自分達で守ることを可能にする資源を持っておりましたし、今も持っております。地域の資源は皆の資源であるという共通認識のもと、皆で支え合い、皆で創るまちづくりを行い、孫の代まで安心して暮らせる地域を創ってまいりましょう。
 結びになりますが、議会を始め、村民皆様の深いご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げ、平成24年度の村政執行方針といたします。
 
                                         猿払村長  巽    昭

お問い合わせ

総務課 総務係
電話:01635-2-3131

ページの先頭へ戻る